シスコ技術者認定 CCENT、CCNA、CCNP概要

このサイト内のいろいろなところで申し上げておりますが私はとある通信キャリアにてネットワークエンジニアとして仕事をしております※1

ネットワークエンジニアの仕事内容としましては過去の記事「ネットワークエンジニアの仕事内容」や「ネットワークエンジニアの仕事内容2」を参照頂くとどんなものかご理解いただけると思います。
楽しくはありますが楽な仕事ではないわけです。はい。
※1:社内での肩書はSEとなっております。

それら記事内でも紹介しておりますがネットワークエンジニアとしてはCisco(シスコ)の資格は持っていて当たり前的なところがあり、やれ会社からもシスコの資格を取りなさいとぐちゃぐちゃ言われるわけです。

この記事ではこれからネットワークエンジニアを目指す方にも向けてシスコについてと、シスコが提供している資格、CCENT(シーセント)、CCNA(シーシーエヌエー)、CCNP(シーシーエヌP)、CCIE(シーシーアイイー)を中心とした概要について紹介していきます。

基礎的な知識がある方は本ページを読み飛ばし、次ページ以降の各資格コンテンツへ移動してください。

Cisco(シスコ)とは

そもそもネットワークにかかわらない人にとってシスコってなに?というところだと思います。

シスコ、正しくはCisco Systems(シスコシステムズ)でアメリカのカリフォルニア州に本社を置く世界最大のコンピュータ関連の機器を製造販売する企業。
一般的には略してCisco(シスコ)と呼びます。
ITの業務に関わる方ががシスコといえば企業そのものを指すこともありますがシスコ製のルータやスイッチ※2を指すことの方が多いでしょう。
※2:いわゆるハブと思っていただいたら良いです

創業は1984年とそれほど古くはないのですがルータ、スイッチのみならずセキュリティ製ハードウェアや無線LAN、TV会議(ウェブ会議)製品やVoIPと呼ばれるIP音声機器等の世界最大手企業でネットワークの業務に関わるものであればその名前を知らないものはいないと言う業界のデファイアントスタンダード的な存在。

ですので、シスコの製品をよく理解し設定なども行うことができればこの業界で生きていける可能性が高いというわけです。

そもそもなんで資格があるのか?

シスコが認定する資格ですがまず、なんでそんなものが存在するかということについて簡単に紹介します。

ネットワークを構築するためにはその規模に応じた知識が必要とされます。
例えば自宅でインターネットを始める場合でも想定してみてください。
何も知識がない人がいきなりインターネットを繋げられるでしょうか。
なかなか難しいのではないかと感じます。

以下、一般的な流れを見てみましょう。

自宅でインターネットをを開設するにも多少の知識が必要

1.NTT西日本または東日本(以下:NTT東西)にフレッツ光回線の手配依頼をする

2.インターネットサービスプロバイダにてプロバイダの申込みをする※3

3.ルータと呼ばれる機器の購入を検討する

4.自宅に無線LAN、wifi環境が必要かを考える。必要に応じwifi機器を購入する

5.NTT東西により光回線が敷設された後はルータにプロバイダ設定を実施

6.パソコンにルータからIPアドレスの払い出しを受けられる設定を行う※4

7.必要に応じwifi機器の設定を行う

8.パソコンやスマートフォンにwifi電波受信の設定を行う

9.接続テスト等を実施し、問題なくインターネット接続ができれば完了

※3:インターネットサービスプロバイダとNTTの光回線を一括で提供しているプロバイダも存在します。
※4:そうじゃない場合もあります

とこんな流れでしょうか。
たいした知識は必要ありませんがやはり何も知らないと最初は戸惑うこともあると思います。

これが企業となった場合はいかがでしょうか。
例えば、社員100名、2階建ての小さな自社ビルへネットワークを構築する場合で、社長や経理その他部門ごとにアクセスできる領域を分けたく、また各フロアのどこに行ってもwifiに接続できるようにしたい要望がある場合どうすればよいでしょうか。
フロアや机の島ごとにハブの設置箇所や分岐方法はどのように行えば良いでしょうか。
ルータのパフォーマンスはどれくらいのものを想定するのか。
セキュリティはどうしなければならないのか。
インターネットの回線は何を選べば良いのか。
物理的はLANのケーブルはどのように敷設するのか。

等、途端に考えなければいけないことが増えますし、専門的な知識が要求されます。

さらにこれが小さな企業ではなく、大学のような広大な敷地だったらどうでしょうか。
はたまた、日本に数千の拠点を持つフランチャイズのお店だったり、世界中に拠点を持つメーカーの拠点間同士を安全に繋げたい等の要望がある場合はどうでしょうか。

更に専門的な知識が必要となり検討する範囲は膨大になります。

またネットワークの規模が大きくなればなるほどルータやスイッチ等の機器には必要に応じた設計とそれに伴う設定を入力する必要があります。
シスコが提供する機器の設定はすべてコマンドにて行われます。
みなさんがよく知る黒い画面に英語がいっぱいかいてあって、キーボードから命令をカチャカチャと打ち込んでいくアレです。
これらコマンドにも非常に細かいルールがたくさんあり、上記のようなネットワークを構築する場合はネットワーク一般の知識のみならず、シスコ機器に対するコマンドの知識やそしてそれをどのように機器に入力していくかということに至るまで、幅広いかつ深い知識が要求されます。

これらを実現するための知識を学ぶこと。それがシスコの認定試験となります。

ただしいきなり何も知識のない人が数千拠点のネットワークを構築できる知識を習得というのも難し話でしょう。
そのためシスコはレベルに合わせた認定を段階的に準備しているというわけです。
では、次の項目にてシスコ認定資格の種類について説明します。

Cisco認定資格の種類

Ciscoの認定資格ですが多くの種類が存在します。

まずはレベルが大きく5つに分けられます。

  • エントリー
  • アソシエイト
  • プロフェッショナル
  • エキスパート
  • アーキテクト

そしてそれぞれのレベルに位置づけられる認定がいくつも存在します。

2018年4月段階で各レベルで取得可能な認定一覧は以下のとおりです。

■エントリー認定
CCENT
CCT

■アソシエイト認定
CCDA
CCNA Cloud
CCNA Collaboration
CCNA Cyber Ops
CCNA Data Center
CCNA Industrial
CCNA Routing and Switching
CCNA Security
CCNA Service Provider
CCNA Wireless

■プロフェショナル認定
CCDP
CCNP Cloud
CCNP Collaboration
CCNP Data Center
CCNP Routing and Switching
CCNP Security
CCNP Service Provider
CCNP Wireless

■エキスパート認定
CCDE
CCIE Collaboration
CCIE Data Center
CCIE Routing and Switching
CCIE Security
CCIE Service Provider
CCIE Wireless

■アーキテクト認定
CCAr

以上です。

これらの意味ですが、例えばエントリーレベルにはCCENTという認定とCCTという認定の2つが存在しており、それらを取得するにはそれぞれの試験を受ける必要がある、という意味になります。

このように多くの資格がありますが一般的にネットワークエンジニアが受験する資格は以下の通りとなります。

  • CCENT
  • CCNA Routing and Switching
  • CCNP Routing and Switching

よくネットワークエンジニアがCCNA(シーシーエヌエー)やCCNP(シーシーエヌピー)という言葉を発しますが通常CCNAといえばCCNA Routing and Switchingのことを、CCNPといえばCCNP Routing and Switchingのことをそれぞれ指します。

それでは次にそれぞれの資格について掘り下げていきます。

CCENT

CCENT読み方

CCENTは「Cisco Certified Entry Networking Technician」の頭文字を取った略語です。
読み方ですが、は日本国内では「シーセント」と言われることが多いようです。

CCENT概要

CCENTは2013年までは存在しておらず、2013年10月の試験改定に合わせて新たに設けられた認定となります。
以前はいきなりCCNAを受験するのが一般的でしたがCCNAの範囲もかなり広範囲かつ高レベルとなってきました。
そのためCCNAが2つの試験に分割され2教科合格の場合CCNAが認定され、その前半部分を受験し合格した場合にCCENTが認定されるという具合となりました※5

※5:ちなみにCCNAは2科目の範囲が1つにまとまった試験を受験という方法も可能です。詳しくはCCNAの項目で。

CCENTの認定を受けるためには2018年4月現在では「100-105J ICND1 v3.0」という科目に合格する必要があります。

このCCENTで証明されるスキルはあくまでエントリーレベル。
ネットワークテクノロジーにおけるキャリアを積んでいきたい人に向けたスタート地点として位置づけられる資格です。
この資格を保有していることで具体的には小規模なエンタープライズ向けのネットワークを管理する能力を持っていることを証明できます。

詳しい勉強方法や受験申込み方法は今後記載していく各資格のページにて紹介予定としてます。

CCNA

CCNAの読み方

CCNAは「Cisco Certified Network Associate」の略で「シーシーエヌエー」と読みます。

CCNA概要

上の方でも記載しておりますがアソシエイトレベルに位置づけされるCCNAには多くの種類が用意されておりますが、一般的にネットワークエンジニアが受験するのはCCNA Routing and Switchingというもの。

以下このサイトで特に断りがなくCCNAと言えば「CCNA Routing and Switching」の事を指すことといたします。

CCNAの認定ではネットワークの基礎知識、LAN、WANのテクノロジーやルーティング及びスイッチング、IPv4・IPv6の知識、インフラストラクチャーサービスやセキュリティに至る構築・運用知識を証明することができます。
CCNAを保有していることにより就職や転職にも非常に有利になります。

CCENTの項目でも紹介いたしましたがCCNA認定の方法は、範囲が半分に分けられた試験を2つ合格するか、それらがまとまった試験を受けるかの2パターンが存在します。

具体的には

  • 100-105J ICND1
  • 200-105J ICND2

の2つの試験に合格するか、

  • 200-125J CCNA

の試験に合格するかのいずれかとなります。
受験料や勉強方法、試験の申込みなどはCCNA専用ページにて紹介することといたします。

CCNP

CCNPの読み方

CCNPは「Cisco Certified Network Professional」の略で「シーシーエヌピー」と読みます。

CCNP概要

CCNAがアソシエイトレベルでの認定となりますがCCNPは文字通りプロフェッショナルレベルの認定となります。

CCNPにもいくつもの種類が存在いたしますが、ネットワークエンジニアが受験するのは「CCNP Routing and Switching」となり、上記「CCNA Routing and Switching」の上位資格と位置づけられます。
本サイト内では特に断りがなくCCNPといえばこの「CCNP Routing and Switching」を指すことといたします。
CCNPはCCNAに比べ非常に更に範囲が広くそして非常に深い知識まで求められます。
試験は3つの分野ROUTE(ルート)、SWICHI(スイッチ)、TSHOOT(ティーシュート)と呼ばれるものに分かれており、それぞれ試験が異なります。

具体的には

  • 300-101J ROUTE
  • 300-115J SWITCH
  • 300-135J TSHOOT

の3つとなっており、それらすべてが合格して初めてCCNPという認定資格が授与されます。CCNPの詳しい内容、受験料や勉強方法、試験の申込み等はCCNP専用ページにて紹介することといたします。

CCIE

CCIEの読み方

CCIEは「Cisco Certified Internetwork Expert」の略で「シーシーアイイー」と読みます。

CCIE概要

CCIEにもいくつもの試験が存在いたしますが我々ネットワークエンジニアが一般的に受けるのはCCNA、CCNPのそれと同様「CCIE Routing and Switching」となります。

本資格はまさにエキスパート向けの非常に非常に深い知識まで求められるものとなります。
試験は「筆記試験」と「ラボ試験」と呼ばれる2つに分かれております。
特筆すべきはその難易度でCCNA、CCNPはある程度そのレベルに合った段階だと納得できるのですがCCIEは途端に難易度が上がります。
人生の大きな部分をCCIEに捧げなければ合格できないとも言われており、CCNPは持っているがCCIEを持っている人は極端に少ないという特徴があります。
筆記試験もラボ試験も受験は英語のみ、またラボでは試験官と口頭にてやり取りする必要がありますがそれらもすべて英語で行わなければなりません。

私もCCIEは筆記もラボも受験しておらず資格を持ち合わせておりませんので本サイトではこちらでの紹介程度に留めさせていただくことにいたします。

以上 シスコ技術者認定の概要でした。

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コメント

  1. あさちゃん より:

    しゅうじさん、はじめまして♪
    椎間板ヘルニア 手術のワードでこちらにたどりつきました。
    私も5/15手術が決まり、まな板の上の鯉になってきます。
    神経根ブロックもダメ、排便排尿障害がでた時点で、もう手術しかないか・・・ってな感じです。
    しゅうじさんの椎間板ヘルニアの記録をじっくり読みましたが、すんごく参考になったし、すんごく笑わせて頂きました。
    こういう時はこうするんだなとか、術日の翌朝には朝ご飯が食べれるんかい!!寝ながら食べるなんて高度な技だ!!とか、私も個室を希望してるけど大部屋になる可能性大だな。だとすれば、おならはどうするんだろう?とか(笑)。
    とにかく、早く良くなってふつーの生活に戻りたいですぅぅぅ。
    貴重な体験談、本当にありがとうございます!!
    もう一度読み直し確認しなきゃだわ(笑)。
    また、遊びにきますね^^

    • yujiyuji より:

      あさちゃん様
      はじめまして。
      ヘルニア手術うまく行きましたでしょうか。
      今はもう体調良くなっていることを願っております。
      また時々見に来てやってくださいませ!