普段私は通信キャリアでネットワークエンジニアとして仕事をしております。(社内の肩書はSE)
IT系の企業で仕事をしているとまわりや上司からは、やれ資格を取りなさい自己研鑽しなさいとぐちゃぐちゃ言われるわけです。
ネットワーク系の仕事をしているのであればとりあえずCCNP Routing and Switching まで持っていれば文句は言われないレベルだと思います。
そこでしばらくはCCNA合格のための勉強方法、CCNP合格のための勉強法とシリーズ化して紹介していきたいと思います。
その前にまずは通信キャリアのネットワークエンジニアの仕事がどんなものか簡単にご説明いたしましょう。
通信キャリア ネットワークエンジニアの仕事内容
私の具体的な業務内容は法人の顧客に対してIP-VPNや広域イーサと呼ばれる閉域ネットワーク、それに付随するサービスや機器、それらのSIを提供する事。通信キャリアで働いているとは言っても、プロバイダ事業の機器設定や企画、通信キャリア基幹ネットワークの構築などではありません。
一般的なネットワークエンジニアの仕事内容は企業の拠点間やLAN内のネットワーク、それに付随するルータやスイッチ※1等の機器に関して
「設計」「構築」「保守」「運用」
を行う事。だと言われます。
※1 「スイッチ」というとわかりにくいかもしれませんが、いわゆるハブだと思っていただければ良いです。(厳密には違いますが)
担当営業がお客様からネットワーク案件の引き合いを頂いた辺りから私が登場します。
どのようなネットワークが必要か、各拠点のLAN側はどのようにするか、機器は何を入れてどう通信させて、バックアップは必要か、インターネットアクセスはどのようにするか、セキュリティレベルはどこまで求めるか、その場合の費用はいくらか。
という辺りまで一緒に検討し、基本的なネットワーク設計を元に見積もりを提出、金額にご納得いただけますと正式に発注をもらえますから詳細な設計を行い、構築、ネットワークが安定的に動くようになったらあとは保守・運用を引き続き行っていく。
というのが一連の流れです。
しかーし!いま世の中、IT業界の人材が足りていないのである!!
したがって、私はネットワークエンジニアであると同時に「プリセールス」や「フロントSE」とも言われる立ち位置も担当させられています。いや、むしろフロントSEとしての要素のほうが強いとすら感じます。引き合いのあったお客様のところに行って、ゴリゴリと営業に変わって当社製品を売り込んだりするわけです。
また単純にネットワークの話だけしていれば良いというわけではなく、物理的なサーバー導入や物理サーバーの仮想化の話、仮想サーバー(IaaS)いわゆるAWSやAzure導入の話、グローバルIPアドレス複数取得しDMZや付随するサーバー群構築の話、Active Directory構築の話、DNSの話、Ipv6導入の話、ファイルサーバー導入の話、リモート接続の話、セキュリティアプライアンス導入、顧客ビル内のLAN張替えの話、ホームページ制作の話、顧客システム導入の話、IoTの話等などまた、導入時には当然プロジェクトリーダとしての動きもしなくては行けません。進捗管理等もすべて自分で行うのです。
つまり、
とにかく何でもかんでもすべてやらされる!
時代なのです。
ネットワークだけ知っていればネットワークエンジニアの業務がこなせる。そんな時代はもう終わりなのです。
非常に幅広い知識が必要とされるのが今のネットワーク業界。
これは私の業界、業種に限った話ではないですかね。
どんな仕事でも高いレベルが要求されるんでしょうね。嫌な時代になりましたね。
ただし仕事は楽しい
上記のように多くの知識が求められ非常に苦しくもありますが仕事自体は非常に楽しいです。
フロントSEの動きをしている時は顧客訪問が多いので外出もそこそこありリフレッシュできます。
構築時には場合ににより日本全国各地の拠点に行く必要がある為、その土地の美味しいものが食べられたりします。
ネットワークの構成図などを事務所内でちまちまと描くこともそれはそれで楽しい。
この業界の常に新しい情報を勉強しなければならない為、様々なベンダーさんのセミナーに参加したりするわけですが、それもまた楽しい。
大手から小さいところまで多くのベンダーさんや通信キャリア、IT機器メーカーの人々と関わったり、導入する企業先であれば超大手から超小さい会社までがお客様であり本当に沢山の人々との貴重な出会いがあってそれもまた楽しい。
何より自分の担当する業務がうまく言った時は大きな達成感と感動を覚えますし非常に大きなやりがいを感じるときでもあります。
大規模なネットワークが思った通りに通信してくれると「ルーティング、スイッチングは本当に正直だ」といつも感心させられます。
私の会社ではすべての業務内容や時間管理は本人たちに任されており、いつどんなことをやっても問題ないのである。
この点は非常に気が楽だし、仕事をしていて楽しい点でもあります。
極端な話、前日飲みすぎて「明日会社行きたくねー!」って時にはスケジュール※2に「現場直行」と書いておけば誰にも突っ込まれることは100%無いのである。(私はそんなズルをしたことはありません。)
※2 社員のスケジュールはクラウド管理となっており、全員のスケジュールを社内の誰もが見られる状態になっている
上記はいいところばかり書いているが当然仕事ですので苦しいことも多いわけです。
いや、苦しいことのほうが多いかな。私はサラリーマンやめたいと思っているくらいサラリーマンは苦しいと感じてます。
ここで文句をぐだぐだと書いてもみっともないだけですので省きますが色々大変なわけです。
2つ大変な点を紹介致します。
まずはとにかく案件がとんでもなく多すぎて、仕事は超いそがしい。時間的余裕なんてほとんど、いや全く無いわけです。
上記でセミナーに参加なんて楽しそうなこと書いたわけですが実際は時間に余裕があって楽しくセミナー参加なんてほぼ無理です。時間がない中、(義理などもあり)無理やり参加するか、基本的には参加をパス。
毎日提案書提出の約束納期に終われ1つ1つの仕事のクオリティーが下がる。
他社と競合となった場合でもじっくり戦略を立ててしっかりした提案書を作り上げるという時間が取れず、適当なものになってしまう。
いつも営業から「あれどうなった?」と急かされる。(オメーの仕事だけやってねーんだよ。黙れバカ!)
そんな中に大規模な構築が入ってくると死ぬ。
そしてトラブルが発生すると更に死ぬ。
営業とSEの部門はいつも揉めてる。
営業が案件持ってくるけどもはや対応できる人員が余ってない。
守ってくれない、支えてくれない上司もいて、我々担当に文句ばっかり言いやがる。
加えて本社やいろんな拠点からおエライ様とやらがやってきてどうでも良い会議に参加させられる。
案件と全然関係ないベンダーとの顔合わせに参加させられ夜は懇親会だとやらに参加させられる。断るとぐちゃぐちゃ言われる。
毎日糞忙しいのに何やら報告書をまとめろ、アレやっとけー、コレやっとけーと言われる。いや、それ私カンケー無いんですけどと言ってもごちゃごちゃ理由をつけられ断らせてくれない。
もう一点は評価基準が厳しい。たぶん今は民間企業どこでも同じもんなのでしょうかね。
マジ、評価ってなんなんだ。詳しくは書きませんが。色々あるわけです。
そんなのもあって、
サラリーマンマジで糞!
と思うわけですよ。
本ブログ、サラリーマンの野望。この最大の野望は「脱サラすること」と定義してます。
上で仕事は楽しいのに、サラリーマン糞って矛盾してますでしょうかね。
仕事内容は良いのですが会社がアレなんですよ。
仕事の花形RFP対応
上で散々サラリーマン糞だと言っておりますがせっかくですので最後にRFP(アールエフピー)対応と言うものを紹介しておきたいです。
業務の花形、自分を成長させてくれて、苦しくも非常に大きな達成感のある一大イベントです。
RFPはRequest For Proposalの略で日本語では提案依頼書と約されます。
特に大手企業や官公庁等から出されることが多いですが中堅企業、時には小さな会社でもこれを出すことが有ります。
RFPは企業(や行政など)が新たなシステム導入やネットワーク更改などを行う際に発注先候補の業者に対し提案してほしい内容を細かくまとめた文章を指します。
例えば以下のような状況を想定してください。
全国に500拠点ある企業Aが現在通信キャリアBのネットワークを利用し業務をやってきたとします。
通信キャリアBを使い始めて5年立ちますが、目まぐるしく変わるIT業界において現状のキャリアBのネットワークでは運用面、セキュリティ面、利便性、コストなどにおいて多くの課題が見られるようになってしまいました。
そこで通信キャリアA、通信キャリアB、通信キャリアC、及び大手Sier3社、計6社に対しネットワーク更改のRFPを提出、コンペをさせるわけです。
企業Aが出すRFPには例えば次のようなことがまとめられています。
・現状のネットワークを利用した業務のありかたや課題等の背景。
・新たなネットワークを導入するに辺り達成したい目的や狙い。
・そのための技術要求や運用要求
・スケジュールや費用感
等でしょうか。
このRFPに従い各社は提案書をまとめ、期日までにプレゼンを行い見事勝ち取った場合は受注、設計・構築、保守・運用と入っていくわけです。
このプレゼンがまぁ、大手なんかでは役員さんが何名もズラリと出てこられ、皆が並んだ前でプレゼンしたりするわけです。
こちらも営業部の部長や技術の部長を始め何人もずらりと勢揃いしてプレゼンに出向くわけなんです。
主担当になった場合は当然自分がプレゼン資料をまとめ、発表するのですがまぁ、これはいわゆる主役なわけですよ。
成功したときには大きな喜びがありますし、導入完了後には関係者を集めて打ち上げ飲み会をやるわけです。
どうでもいい糞みたいな飲み会はサラリーマン死ねと思いますが、上記のような場合はやってきてよかったと感じさせてくれる瞬間でもあります。
とは言え。
とは言えですよ。
その更に上で書いたとおり、日頃から業務はパンパンでそもそも回しきれていないわけです。
猫の手も借りたい、そんなときに大手企業からRFPが出されて上司から一言「お前、コレやっといて。」なんて軽く言われると殺意を覚えるわけです。
いや、ホントそんなことやる時間無いんですよ。
上で花形とか言ってますができればRFP対応はやりたくないというのが本音です・・・。
って、なんの話だっけか、、、。
次回からCCNAやCCNPの話をして行きたいとおもます。
ちなみにCCNAやCCNP持ってるくらいではそれを武器に脱サラできるなんてことは一切ありません。大した資格ではありません。はい。